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スーツ

ジャケットのポケットについて

vol.288


おはようございます!


小樽の夏の最大のイベント『おたる潮まつり』が閉幕しました。


今年は天候に恵まれ3日間とも晴天でした。というよりむしろ晴れすぎて暑かったです(笑)


特に昨日は午前中から30℃を超える気温を記録し、午後になっても気温が上がり続けたようでした。


すいぶん暑かったですけど一体何℃まで上がったんでしょうか?気になります(笑)


潮まつりが終わると夏が終わった気になってしまうのは『小樽っ子あるある』なんでしょうが、まだまだ暑い日が続きそうですので体調管理には気をつけて乗り切りたいと思います!


色々なポケットの形について


先週あるお客様に単品ジャケットをご注文頂きました。


ご注文いただいた中でポケットに関しては『胸をパッチで腰を両玉フチなしで』というものでした。


これすぐに分かった方はかなりの洋服好きか仕立て屋ですね(笑)


SARTORIA FISTYでは胸や腰のポケットも色々とお選び頂けるのですが、今日はポケットの基本的な形について説明したいと思います。


一般的にスーツの上着のポケットには、フラップと呼ばれるふたが付いています。雨蓋とも言う通り、雨避けや埃避けの目的で付けられているので、本来のマナーから言えば、屋外では出しておくのが良いとされています。


つまり、室内では雨避けの必要が無いので中にしまうのが本来です。ですので屋内でしか着用しないフォーマルウエア(タキシードや燕尾服など)には、そもそもフラップは付いていません。


まずは、ベーシックな《フラップポケット》
先程も解説しましたフラップが付いた、水平な切ポケットのタイプ。
ビジネス仕様のスーツやジャケットに、多く使われているポケットですので、みなさんが一番多く目にしているポケットです


続いて、視覚的効果が高い《スラントポケット》
“斜め”の意味の通り、中心から外側に斜めになった切ポケットに、フラップが付いたタイプ。

元々の由来は乗馬の際、前傾姿勢でいても「ポケットから物を取りやすく」、また「ポケット中の物を落ちにくく」するため考案されたようです。
また、斜めにすることでシャープさが生まれ、腰周りをスッキリと見せてくれます

紳士的な雰囲気を醸しだす《チェンジポケット》
右脇ポケットの上に付いた、小さなポケットのこと。チェンジは小銭を意味し、キップやカギなどを入れたといわれていますが、現在は装飾的な意味となっています。ちなみに必ず右側につきます。

水平に付けられている物もあれば、スラントになっている物もあり、様々なバリエーションがあるのが特徴。
ブリティッシュスタイルに最適なポケットです


フラップの付いていない《ノーフラップポケット》
フォーマルスーツに採用されることの多い、両玉縁仕様のポケット。先ほどの『両玉フタなし』がこれになります。
パイピングポケットとも呼ばれ、ポケット口上下に、共布で細くパイピングを施し、フラップを付けていないのが特徴です

ジャケットやブレザーに多く使われる《アウトポケット》
パッチポケットとか貼りポケットとも呼ばれます。

主に、カジュアルタイプに用いられることが多く、画像下のようにフラップが付いたタイプもあります。
クールビズ使用のジャケットに使われることも多い、ポケットです


お気付きの方もいらっしゃると思うのですが、今回頂いたご注文の『胸がパッチで腰が両玉フタなし』というのはこれまでの説明からすると通常ではありえないご注文です。


1着のジャケットの前身頃に『カジュアルとフォーマル』が同居するわけですから。お客様も『チャレンジです』と仰っていました。


今回のお客様は上級者でしたのでお受けしましたが、普通の方のご注文でしたらまず間違いなく『おやめになられた方が・・・』と止めていたと思います(笑)かなりちぐはぐになる可能性がありますので(笑)


注文服では通常ではありえないような仕様でもお受けすることが出来る場合がございますので、『こんな風にしたい!』などのご要望があればお気軽にお問い合わせください。

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