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スーツ

夜でもモーニング

vol.354


おはようございます!
歴史とロマンの街小樽の
スーツ仕立て屋
SARTORIA FISTY
の拝田昇です!


先日第4次安倍改造内閣が
発表されました。


安倍総理が『全員野球内閣』
と言えば野党は
『閉店セール内閣』と言ってます。


まぁこの辺は毎回のお約束
なので特に思うところは
ありません。


道内からは吉川貴盛
衆議院議員が農相に
初入閣しました。


道内からの入閣は6年ぶり
のことらしいです。


大臣が選出されたことで
被災地の復旧に弾みが
つくといいのですが・・。


さて仕立て屋的には
内閣改造の度に気に
なっていることがあります。


それは閣僚のみなさんの
お召し物。


そう『モーニングコート』
関してです。


モーニングコートとは



普通の方は結婚式で父親が
着用する服という
認識だと思います。
普段は着る機会ないですよね(笑)



モーニングコートは
昼間の時間帯で
最も格式の高い正礼装に
あたるの種類の礼服です。


18世紀の英国貴族が
朝の日課とした乗馬の後
そのまま宮廷に上がれる


ように礼服化されたことが
デザインのルーツと
されています。


ジャケットとベストは
黒の共地、前裾が斜めに丸く
なったモーニングカットや


カッタウェイカットと
呼ばれる形で、
衿は剣先のように
尖ったピークドラペル。


前あわせはシングルブレスト
という生地を重ねない形で
ボタンはひとつ。


パンツは黒とグレーの縞模様
コールパンツと呼ばれる物を
合わせるのが正式です。

以上がモーニングコートの
説明です。
現代に正装として定着する
までは朝の散歩着でした。


名前だけが残り『モーニング』
なっているわけです。
ただし日中しか着ません。
ルールとしては18時までです。


よく、内閣発表後の大臣の
認証式で夜でもモーニングを
着ているのを見かけます。
というかほぼそうですね。


あれはもともと日中にやる
予定だったのが、時間が
ずれこんで夜になって
しまった形です。


天皇陛下を待たせているし、
室内での行事ということで、
モーニング姿のまま
行っているようです。


認証式が終わったら夜
なんだからスーツに
着替えればいいのにと
思うのは職業柄だから
なんでしょうね。


『夜なのにモーニング』という
内閣改造の度に不思議に思う
ことを書いてみました。

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