シャツ
vol.463
歴史とロマンの街小樽の
スーツ仕立て屋
SARTORIA FISTY
の拝田昇です!
昨日お引取りにいらしたお客様
との会話でシャツの袖丈の長さの
話になりました
実は多くの方はシャツの
袖丈が短めです
昨日のお客様も短めでした
今日はシャツの袖丈の
正しい長さについて
お伝えします
シャツの袖はジャケット
から1.5cmほど出す
スーツを仕立てたり、買ったり
したことのある方は一度は
聞いたことあると思います
でもこれってなぜだろう
と思いませんか?
話は19世紀に
さかのぼります
当時は現代のように
ドライクリーニングが
ありませんでした
スーツは基本ウールですから
自分で水洗いすると確実に
縮みます
ですので『スーツを洗う』と
いう発想自体
ありませんでした
対してシャツの素材は
コットン(綿)がメインです
コットンですから
水洗いできます
ご自宅でシャツを水洗い
されてる方も多いのでは
ないでしょうか?
洗えるシャツに対して
洗えないスーツ
だから袖や首の汚れやすい
肌に直接触れる場所は
シャツを出したんです
こうすることでウール素材の
スーツが汚れるのを守ったんです
つまり、シャツをジャケットの
袖口から出すことは
ファッションではなく
汚れないようにする
ためだったのです
ちゃんと意味があったんですね!
さて正しい袖丈の
測り方ですが・・・
↑の写真のように袖のボタンを
外して手を下げた時にシャツが
親指の付け根に触れる
くらいの長さが正しい長さです!
これを親指の付け根ではなく
くるぶしにしてしまうと着ている
うちに短くなってしまいます。
コットンなのでどうしても
洗濯で縮んでしまうという
こともあります。
↑のシャツも作った時は
もう少し長かったです。
あとヒジの部分にシワが
入って上に上がってきて
しまうというのもあります。
ボタンをすると↑のように
キチンとおさまります。
お店で店員さんに測って
もらう時は問題ないと
思いますが、ネット等で
買われる時は上記の
ように親指の付け根
まで測るようにしてください