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スーツ

ブラッシングが一番大切です

vol.497


歴史とロマンの街小樽の
スーツ仕立て屋
SARTORIA FISTY
の拝田昇です!


昨日の夕方、秋にスーツを
お買い上げ頂いた久保様が
来店されました

久保貴敬様

シャツのお仕立てでご来店
下さいましたが、いい生地が
見つかったようで満足して
らっしゃいました


ジャケットを脱いでシャツ姿に
なった時のことを考えて生地
選びをされるこだわり方は
ステキです


あ、シャツ姿と言ってもベストを
着ていますのでシャツ1枚
ではありません


基本的にシャツは『下着』ですから
人前でジャケットを脱いで
シャツ1枚になるのは本来NGです


外国人と仕事をされる機会が
ある方は覚えておくことを
オススメします


その点に関してはまた別の
機会に書きたいと思います


生地選び、その他細かいパーツ
選びが終わりお帰りの時に


『そういえば、スーツって
クリーニングに出せば
いいんですか?』

と質問されました


私の答えは

『いえ、出さないでください
シーズンの終わりに
一度で十分です』


というものでした


スーツを大切に着たいと思う
あまり、頻繁にクリーニングに
出す方がいらっしゃいますが
それは生地を痛めることに
なりますのでやめましょう



『簡単!自宅で出来るスーツのお手入れ』



自宅で出来るスーツの
お手入れ方法をお伝えします


お伝えするのは次の4つ


1.ブラッシングの方法

2.スーツの休ませ方

3.スチームアイロン

4.クリーニング




1.ブラッシングの方法


『1にブラッシング
2にブラッシング
3,4がなくて
5にブラッシング』


それくらいブラッシングは
大切です


1日着用したスーツには
チリやホコリがたくさん
付いています


これをこのままにしておくと
シワの回復が遅れ、スーツの寿命
が短くなってしまいます


ですからブラッシングだけは
必ずするようにしてください


これをやるとやらないとでは
スーツの持ちが全く違います


オススメのブラシは
イギリスの『KENT』


私は家でもお店でも使用
しています


amazonで¥3,000くらいで
買う事ができます

KENTの洋服ブラシ


ジャケットの
ブラッシングはホコリを
掻き出すイメージでまず
下から上に強めにかけます


そのあと上から下に毛並みを
整えるように優しくかけます

毛並みをきちんと整える事で
毛玉が出来にくくなります


2.スーツの休ませ方


当たり前の話ですがスーツは
着ている時間より休んでいる
時間の方が圧倒的に長いです


週に1回12時間着用としたら
残りの156時間は休んでいる
わけです


その休んでいる時間を
どう過ごすかも重要です


ジャケットは着ている状態に
近づけるため肩先の厚みが
5cm以上ある太いハンガー
使用してください


クリーニング店の薄い
プラスチックハンガーや
針金のハンガーなどは
決して使用しないでください


形崩れの原因となります

当店のオリジナルハンガー

肩先の厚さ5.5cm

5.5cmあると着ている状態に近くなります


ブラッシングの後は丸一日
陰干しをしてください


陰干しとは直射日光の当たらない
風通しのいい場所に
吊るしておく事です


1日着用したスーツから完全に
汗が抜けるのには72時間
必要と言われています


まずは丸一日陰干ししてその後
クローゼーットにしまいましょう


陰干しせずにクローゼットに
しまうと汗が抜けずに
クローゼットの中や他の
スーツにニオイがうつります

パンツはウエストを下に

パンツはウエストを
下にして吊るします


ブラッシングはジャケット
とは逆に上から下に強めに
下から上に優しくです


その後ベルトをつけたまま
丸一日吊るしておきます


ウエストとベルトの重みで
シワはとれます
霧吹きを使うのも効果的


丸一日陰干ししたらベルトを
外してクローゼットに
しまいましょう


3.スチームアイロン


スチームアイロンはシワ取りや
ニオイ取りに大変効果的です


蒸気が繊維の間に入り込んだ
ニオイの元となる汚れを
はがし取ってくれます


またタバコを吸う方やスーツに
ついた食べ物のニオイ
加齢臭などが気になる方は
ぜひスチームアイロンを
試してください


ニオイをとってくれる他に
生地をふんわりと立たせて
くれる作用もあります


1点気をつけるのは
『生地にアイロンを直接つけないこと』
テカリの原因になってしまい
ますので

スチームアイロン


4.クリーニング


スーツを2,3回着たら
クリーニングに出す方が
いらっしゃいますが
それはやめましょう


ドライクリーニングは有機溶剤
でスーツを洗いますからあまり
頻繁にクリーニングすると生地
を痛めてしまいます


食べ物を落としたとか
ワインこぼしたなどの時は
仕方ありません


虫食いの原因になりますので
すぐにクリーニングに
出してください


それ以外では普段から
ブラッシングと陰干しを
心がけておけば頻繁にクリーニング
に出す必要はありません


シーズンの終わりに1度で十分です


『汗のニオイが気になるから』
と言ってクリーニングに出す方
がいらっしゃいますが
水溶性の汚れ(汗、血液等)は
ドライクリーニングでは落ちません


その場合は『ウォータークリーニング』
『汗抜き』という処理をお願い
してください


ただしやっているお店と
やっていないお店がありますので
ご注意を


ご家庭でキチンとお手入れして
頂ければ長く着られる愛着の
わく1着となるでしょう


参考になれば幸いです



 

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