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スーツ

クールビズでのネクタイ

vol.637

アスリート専門の
スーツ仕立て屋
SARTORIA FISTY
の拝田昇です!



『アスリートの"不"を解決』



この想いで今日も仕事に臨みます!



飲酒運転根絶へ決意新た 小樽のひき逃げから5年



道の条例で「飲酒運転根絶の日」と
定められた13日、道や道警が
札幌市のサッポロファクトリーで
決起大会を開いた



2014年に女性4人が死傷した
小樽の飲酒ひき逃げ事件から
5年を迎え、約350人の参加者が
根絶への決意を新たにした


飲酒運転根絶の啓発グッズを受け取る買い物客




道内154カ所で同日未明に行われた
飲酒運転の全道一斉取り締まりでは
酒気帯び運転容疑で9人が摘発された



条例制定の契機となった小樽の
事故現場「おたるドリームビーチ」
周辺では13日午後、小樽署と
手稲署のパトカーが合同で巡回した



道警によると、道内の今年の
飲酒運転による死亡事故死者数は
11日現在、前年同期比4人減の2人


取り締まりをすると酒気帯び
運転容疑で多数の摘発者が
出ます



いつまで経っても
なくならない飲酒運転



車にアルコール検知器をつけて
検知したら、エンジンがかからない
などとしないと、飲酒運転は
なくならないでしょう



ネクタイはなくなるのか?



昨日、小樽市倫理法人会の
モーニングセミナーにて
講師の方が仰っていました



『経産省の役人と韓国の担当者の
会議での格好見ましたか?
あちらはキチンと
スーツに
ネクタイなのに、こちらは

半袖シャツにノーネクタイ

見ていてとてもだらしないと
感じましたよ』







日本では『クールビズ』期間なので
『ノーネクタイ』でシャツ1枚
なのは普通なんでしょう



しかし相手がキチンとした
身なりだったことで、余計に
だらしなさが目についたと
講師の方は嘆いていました



『北海道は本州よりずっと涼しい
のに本州よりノーネクタイの割合が多い』

ということも仰られてました



ということは多くの人にとって
暑いとか涼しいの問題では
ないんでしょう



ネクタイをする意味が分からない



みなさんは、ネクタイに
どのようなイメージを
持っているでしょうか



「ネクタイを締めると身も心も
ビシッと引き締まる気持ちは
わかるけど、仕事中常に付け
続けるのはちょっと窮屈かも」



多くのビジネスマンにとって
ネクタイは仕事の際に着用
しなければいけない
”義務的な存在”という意識が
強いかもしれません



その証拠に、クールビズの時期に
なると街中では一切ネクタイを
しない人ばかり



これはきっと、暑さのせい
だけではないはずです



たしかによく考えてみると
ネクタイは決して機能的では
ありませんし、首の前にちょろっと
垂れたあの形も意味がわかりません



社会人は、なぜあんな不思議な
ものを今でも年中身に付けているのか



もちろん、スーツスタイルに
欠かせないネクタイには
締めるべき意味と歴史の
背景があります



私たちが普段何気なく
着けているネクタイは
いつごろから使われるように
なったのでしょうか



ネクタイを締める理由
またネクタイの起源について
調べてみました



ネクタイとは




ネクタイとは、襟付きシャツの
襟の周りに巻いて顎下に特徴的な
ディテールを持ってきた帯状の布
または紐状の装飾具のこと



ネクタイには様々な形や太さ
があり、材質は主にシルク
またはリネン、ニットや化繊
などが使われています



英語でネック(neck)にタイド(tied)
するためネクタイ(necktie)と言いますが
フランス語ではクラヴァット(cravate)
イタリア語ではクラヴァッタ(cravatta)
と呼ばれます



ちなみに、ナポリのトレンドから
いわゆるノータイスタイルの

「センツァクラヴァッタ(senza cravatta)」

という言葉を知っている人も
いるかと思いますが、「senza」は
イタリア語で「~なしに」という意味のため
センツァクラヴァッタは
「ネクタイなし」という単純な意味です



そんなネクタイは、明治初期にスーツと
同時に日本にやってきました



今ではもう使われませんが
当時の日本では襟紐
襟締という名称でした



ネクタイ(クラヴァット)の起源




さて、ネクタイの起源ですが
ネクタイが単純に首に巻く布や
紐の装飾具だとすると、古代にまで
遡って世界中どこにでも存在していたため
その起源を特定することができません



そこで、現在のネクタイに近い

”首に巻いてディテールを顎下に
持ってきた装飾具”

をネクタイの始まりだとするならば
17世紀フランスのルイ14世時代が
ネクタイの起源と考えられます



三十年戦争においてクロアチア人
兵士が傭兵としてフランスを訪れた際
兵士が首にカラフルな布を巻いている
様子を見たルイ14世が、自国軍兵士に
「あれは何だ?」と尋ねたところ
「クロアットです」と答えました



ところが、実はフランス軍兵士は
クロアチア人兵士について尋ねられた
と勘違いして、「クロアチア人(クロアット)です」
と答えていたんです



それがクラヴァットと変化して
後のネクタイの由来になった……
というお話がもっとも有名な説です



イギリスのキャプテン・クックが
カンガルーの名前を先住民に聞いたところ
「カンガルー(わからない)」と答えた
ことをカンガルーという名前の動物だと
勘違いしたことに似ています



まぁ、カンガルーにしろクラヴァットにしろ
名前の由来は諸説あるため、本当か
どうかはわかりません



そういえば、背広も高級紳士服の
仕立て屋が集中したサヴィル・ロウが
由来とされますが、こちらも真偽不明のため
歴史は曖昧に伝わることが常なのでしょう



どちらにしても、ネクタイが生まれたのは
フランスとされ、クラヴァットが
今のネクタイの始まりだということは
多くの人が述べている通りです



クラヴァットからネクタイへの変化



イギリスにクラヴァットが
伝わったのも17世紀



ルイ14世と同時期に生まれた
英国王チャールズ2世が、亡命先の
フランスで流行していたクラヴァットを
英国に持ち帰ったことからです



チャールズ2世は、1666年10月7日に
それまでの絢爛華麗な貴族の服装を
改めた「衣服改革宣言」を出し
宣言の中でジャケット、ベスト
パンツ、シャツ、ネクタイをセットに
した男性の服装を規定しました



クラヴァットは、衣服改革宣言に
よって貴族装や軍装に採用されて
ヨーロッパ全域に伝わり、徐々に
市民も首元をカラフルな布で飾る
ようになり、イギリスでは「ネックスカーフ」
という呼び方で定着していきました



それから長い年月をかけて
ネックスカーフは、おしゃれの
小道具として様々な巻き方が
研究されます



当時のネックスカーフは、単純に
布を巻いただけのものだったため
それを留めるためのピン
(後のネクタイピン)が登場した
のはこの頃です



ネックスカーフが現在の剣状の
ネクタイ「フォアインハンドタイ」
に変化したのは19世紀末ごろです



スーツの原型であるラウンジ
スーツができて少ししてからで
シャツの襟が小さくなり、それに
伴ってネクタイの結び目も
小型化したことによります



当時はアンボタンマナーの由来
である、英国王ジョージ4世と
ボー・ブランメルの時代



ブランメルのネックスカーフの
巻き方は徹底しており、きれいに
巻くためにのりをつけて
巻いていたと言います



つまり、失敗しても巻き直せないため
次々に新しいものを用意して
巻くということです



また、フォアインハンドタイと
同時期に「蝶ネクタイ」や
「アスコットタイ」も登場



この時代は様々なネクタイが
登場した時期であり、首元の
おしゃれとして、TPOに応じて
ネクタイを替えることが貴族たちの
アイデンティティになっていました



ネクタイを締めないとマナー違反?



さて、ネクタイの大まかな歴史は
わかったものの、ネクタイが
本当に必要かどうかはわからないまま



冒頭でお話した通り、ネクタイは
衣服ではなく装飾品であり、顔に近い
Vゾーンを飾る装いではありますが
特別な機能を持っているわけでもない
一本の布に過ぎません



ところが、世界的(欧米的)な視点で
見てみると、ネクタイを締めているだけで
高級レストランの出入りが許され
ホテルのドアマンの対応が変わります



一本の布が持つ力は、日本人が
仕事の際に着用する”義務的な存在”
思う以上に大きな存在であり
たった一本のネクタイだけで
その人の見られ方が変わることは
常識となっています



これは、ひとえにネクタイが
上流階級の嗜みだとされる
長い歴史背景を伴っているためですが
とくにチャールズ2世が宣言した
「衣服改革宣言」が大きな意味を
与えているのでしょう



「ビジネスシーンでネクタイを
締めないとマナー違反になるか?」

ですが、すべてTPOによって
決まるものだと思ってください



基本的に、スーツスタイルとは
ネクタイをきっちり締めることで
完成します



そのため、完成されたスーツスタイルから
ネクタイだけを外すとだらしなく見えます



スーツスタイルからネクタイを
外して着崩す場合は、ネクタイを
外す以外にも、全体的にカジュアル
要素を取り入れなければ
アンバランスになります



もっともわかりやすいのは
セパレートスタイル(ジャケパン)



セパレートスタイルであれば
ネクタイを外しても違和感はありません



もちろん、ジャケットを脱いで
カジュアルシャツを合わせても
良いと思います



全体をカジュアルにすることで
その場がカジュアルでも許される
ということがわかれば良いわけです



もちろん、プライベートであれば
スーツスタイルからネクタイだけを
外しても問題ありません



たとえば、夕食の後でバーに
寄ったときなど、ネクタイを
ポケットチーフ代わりに
胸ポケットに挿すなどは
スマートな所作であり
同時にカジュアル要素もあります



なかなかわたしたち日本人には
ピンと来ない感覚ですが、欧米の
アッパーミドル層にとってネクタイの
使い所の重要性は小さいころから
教えられる常識、つまりマナーです



日本でいう箸の使い方と
似ているかもしれません



もし蕎麦をフォークで食べる
日本人がいたら、「え…………。」
となります



”引く”という感覚です



人によっては、マナー違反だと
注意するかもしれません。



日本では欧米のスーツ文化を
受け入れているため、スーツを着るなら
やはりネクタイの使い方も同じように
常識、マナーとして受け止めるべきでしょう

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