スーツ
vol.851
札幌・小樽を中心に活動する
アスリート専門のスーツ仕立て屋
SARTORIA FISTY
の拝田昇です!
『アスリートの"不"を解決』
この想いで今日も仕事に臨みます!
先日の着こなしセミナーで
参加者の方から
『なぜこの場所に穴が
あるのですか?』
という質問を受けました
現在では徽章や社章をなんの
ためらいもなくラペル(下襟)
の一番上の穴に差しています
ただこの穴、元々はそういった
バッチ類を差すためのものでは
ありませんでした
この穴の呼び名は
ご存知でしょうか?
この穴は
『フラワーホール』
といいます
フラワーホールはその名の通り
かつては花を差すための穴でした
現代では
サラリーマンなど組織に所属
する人の多くが所属団体の
徽章(社章など)を付ける穴
として使っています
なぜ穴が空いているのか?
スーツの原型は軍服と
言われています
軍服は風をさえぎるために
学ランみたいな詰襟タイプの
服だったと言われています
時代とともに上の方のボタン
は留めずに、襟を折り返して
着るのが一般化して行きました
最終的にあらかじめ襟を
折り返して着るという前提で
仕立てられた現在のスーツに
近いタイプの上着が出始めた
というわけです
そう、お気付きですね?
穴が空いているのは
当時の第一ボタンの
名残りなんです
現在では結婚式で新郎が
フラワーホールに花を差す
風習が残っています
花嫁に渡した求婚のブーケから
承諾の意味で花嫁に差して
貰うのだそうです
ラペルの裏にループ
仕立て服では
『フラワーホール』の
下に花の茎を留めるための
『フラワーループ』というものが
ついている場合があります
実際のところフラワーループは
ほとんど使う場面はないと
思われます
ただウンチク好きな方には
いいネタかもしれません(笑)
ラペルをひっくり返して
『この糸何のために
あるか知ってる?』
とやってみてください
『へぇ〜』と感心されるか
『だから?』と冷たくあしらわれるか
それはあなたの話術次第です笑