『シボ革』
vol.924
札幌・小樽を中心に活動する
アスリート専門のスーツ仕立て屋
SARTORIA FISTY
の拝田昇です!
『アスリートの"不"を解決』
この想いで今日も仕事に臨みます!
先日お客様から
『拝田さんの靴の
シワ良いですね!』
とお褒めの言葉を頂きました
履いていたのは↓の靴
ダークブランウンの
シングルモンクストラップです
以前もブログで説明しましたが
ヒモなしの靴で唯一スーツに
合わせてもOKな革靴がこの
モンクストラップです
シングルとダブルがあります
↓ダブルモンクストラップ
修道僧(MONK)が履いていた
ことからヒントを得たと
言われており、大きめの
尾錠留めをあしらった靴を
この名前で呼びます
ブリティッシュトラッドですが
最近はスタイリッシュな
デザインも多く、モード系の
スタイルにも合わせる
こともあります
シボとは
↑のモンクストラップの
革を『シボ革』と言います
革の表情の説明でよく
見かける言葉、「シボ」
ちょっと聞きなれない言葉ですが
これは漢字で「皺」と書き
表面にちりめん状に細かく寄った
不規則なシワ模様のことを指します
転じて、立体的なふくらみの
あるシワ模様全般を指します
シボは革以外の素材ではあまり
見られないため、革独特の表情
として人気があります
ではシボはどのように
作られるのでしょうか?
その前に『皮』と『革』は
読み方は同じですが
意味は違います
皮というのは動物の体から
はいだままの状態にして
おくと、当然ですが腐ったり
劣化してしまいます
そこで、皮が腐ったりしない
ように『鞣し(なめし)』という
加工をすることで、腐敗しにくく
強くしなやかにします
それこそが製品としての『革』です
つまり、なめしたものが『革』で
そうでないそのままの状態の
ものが『皮』ということです
以上豆知識のコーナーでした
シボの作られ方
シボの作り方の方法を
見つけましたので写真
とともに貼っておきます

革の表面にシボを付ける方法は
大きく分けて、2通りあります
そのうち最も多く取り入れられる
のが「空打ち」で、回転ドラムの
中に鞣した革だけを入れて撹拌する
ことで自然なシワ模様を付けます
もう一つの方法は「シュリンク」で
これは革の表面を収縮剤でキュッと
縮ませてシワシワにするものです
パッと見は似ている両者ですが
空打ちの革は線維がほぐれている
ため柔らかく、シボも大小様々
になります
一方、シュリンクの方は革の表面が
収縮しているため、シボの目も
詰まった印象となってきます
(
土屋鞄製造所ホームページより)
空打ちの例(写真)
1 鞣した革を、大きな回転ドラムの中へ
↓
2 回転ドラムを回して、革を撹拌させます
↓
3 大小様々のシワの付いた革が出来ます。
シボの大きさの違い

シボの目の大きさは、線維の
密度によって違ってきます
基本的に密度がゆるく目が
粗いとシボが大きくなり
肌目が細かく線維が締まって
いるとシボが細かく
粒揃いになってきます
この例からすると私の靴は
『背・腰』の部分を使用した
靴ということが分かります
スムースレザーばかりでなく
こういった表情のある革も
たまにはいいですね
シボ革の靴オススメです