スーツ
vol.938
札幌・小樽を中心に活動する
アスリート専門のスーツ仕立て屋
SARTORIA FISTY
の拝田昇です!
『アスリートの"不"を解決』
この想いで今日も仕事に臨みます!
今日5月10日は『母の日』
小樽はあいにくの雨模様ですが
後で母のところに顔を出して
こようと思います
さて、『母の日』と言えば
カーネーション
でも、なぜカーネーション
なのでしょうか?
母の日は1910年に
ウェストバージニア州で始まり
少しずつアメリカ全土に
広まっていき、1914年には
正式に「母の日」として
制定されました
ウェストバージニア州の知事が
「5月の第2日曜日を母の日にする」
と宣言するに至った背景には
アンナ・ジャービスの働きかけが
あったと言われています
アンナの母親である
アン・ジャービスは、かつて
アメリカの南北戦争で負傷兵の
ケアを行っていました
この女性は負傷兵の衛生状態を
改善する
「マザーズデー・ウォーク・クラブ」
を立ち上げ、敵兵のケアも
献身的に行っていたと
されています
アンが亡くなった2年後の
1907年5月12日に、娘の
アンナは亡き母を追悼する会を
教会で行い、母が好きだった
白いカーネーションを
参加者に配りました
これが「母の日」の起源と
言われており、アンナの行動に
よって白いカーネーションが
母の日のシンボルと認識
されるようになりました
hibiyakadan.comより
日本で初めて母の日のイベントが
開かれたのは明治末期頃であり
当時教会で行われたイベントに
よって、人々の間に広まったと
伝えられています
さて、お花とは無縁そうなスーツの
世界ですが実は花に関係する
ディテールがあります
そのディテールとはスーツの
左ラペル(下襟)にある穴
現在では徽章や社章をなんの
ためらいもなくラペル(下襟)
の一番上の穴に差しています
ただこの穴、元々はそういった
バッチ類を差すためのものでは
ありませんでした
この穴の呼び名は
ご存知でしょうか?
この穴は
『フラワーホール』
といいます
フラワーホールはその名の通り
かつては花を差すための穴でした
現代では
サラリーマンなど組織に所属
する人の多くが所属団体の
徽章(社章など)を付ける穴
として使っています
なぜ穴が空いているのか?
スーツの原型は軍服と
言われています
軍服は風をさえぎるために
学ランみたいな詰襟タイプの
服だったと言われています
時代とともに上の方のボタン
は留めずに、襟を折り返して
着るのが一般化して行きました
最終的にあらかじめ襟を
折り返して着るという前提で
仕立てられた現在のスーツに
近いタイプの上着が出始めた
というわけです
そう、お気付きですね?
穴が空いているのは
当時の第一ボタンの
名残りなんです
現在では結婚式で新郎が
フラワーホールに花を差す
風習が残っています
花嫁に渡した求婚のブーケから
承諾の意味で花嫁に差して
貰うのだそうです
ラペルの裏にループ
仕立て服では
『フラワーホール』の
下に花の茎を留めるための
『フラワーループ』というものが
ついている場合があります
実際のところフラワーループは
ほとんど使う場面はないと
思われます
ただウンチク好きな方には
いいネタかもしれません(笑)
ラペルをひっくり返して
『この糸何のために
あるか知ってる?』
とやってみてください
『へぇ〜』と感心されるか
『だから?』と冷たくあしらわれるか
それはあなたの話術次第です笑