vol.967
札幌・小樽を中心に活動する
アスリート専門のスーツ仕立て屋
SARTORIA FISTY
の拝田昇です!
『アスリートの"不"を解決』
この想いで今日も仕事に臨みます!
先週の土曜日小樽経済界の
リーダーの方がお仕立てに
いらして下さいました
生地をお決めになり、パンツの
長さを決めている時の会話
私『パンツの裾はシングル・
ダブルどちらがお好みですか?』
お客様『若い時はダブルもしたけど
今時ダブルなんてするの?』
私『私は礼服以外は全てダブルです
また特にご要望のないお客様には
必ずダブルにしています』
お客様『なに⁉️そうなのか!』
シングルかダブルか
スーツを買うときに
店員さんに
「シングルにしますか?
ダブルにしますか?」
と聞かれた経験は
あると思います
「別にどちらでもいいし
どちらでもかまわない」
というのが本音じゃ
ないでしょうか?
そして「じゃあシングルで」
という方がほとんど
じゃないでしょうか?
街でスーツ姿の方を見ると
圧倒的にシングルの方が
多いように思います
なんとなくオーソドックスな
感じがしますし、失敗がなさそう
に感じられるからだと思います
結論から言うと
どちらでも問題ありません
ただそれぞれ見え方に違いがあり
「どちらがこなれてみえやすいか?」
という違いもあります
シングルのメリット
「足元がすっきり見える」
折り返しがないのですっきり
見えるというのはあります
「足が長く見える」
ダブルと比べると足が長く
見えると言われることが
あります
私はそうは
思わないのですが
ひとつクイズです
『必ずシングルで
なければならない』
という場面があります
どういう場面でしょう?
正解は・・・『お葬式』です
ダブルの場合折り返しが
『繰り返してしまう』という
意味合いに重なり、縁起が悪い
ものとされ、必ずシングルです
でも知らなくても大丈夫です!
礼服を買いに行ったら有無を
言わさず店員さんにシングルに
仕上げられますから
逆に言うと礼服なのに
『シングルにしますか?
ダブルにしますか?』
と聞く店員さんはおかしいと
いうことになります
ダブルのメリット
「程よいカジュアル感が出る」
「裾に重みが出て
パンツが綺麗に落ちる」
などがあげられますが
一番は『着慣れた感が出る』
ということではないかと思います
雑誌やまわりのこジャレてるな〜
と思う人を見てみてください
ほぼダブルに仕上げているはずです
私も100%ダブルですし
仕立て屋仲間も同じです
ちなみに『シングル、ダブル』という
のは和製英語で、本場欧米では
シングルを『plain』
ダブルを『turn up』
と呼びます
そして主流は『turn up』です
話が脱線しますがダブルが
生まれた起源というのも面白くて
『20世紀の始めに英国のある
シャレ者で有名な貴族が
ニューヨークで結婚式に
招かれました
その途中で雨にあい汚れない
ように裾を折り返しました
会場に到着した後裾を元に
戻すのを忘れたままで
いたのですが、それを見た人が
流行と勘違いして広まった』
というものです(諸説あり)
男の洋服はたいていの場合
単純と偶然から進化していきます
出典元:男の服装術より
話を戻します
スーツの原点とされる
ラウンジコートが誕生した
当時の生地は、厚みと重さが
あったため折り返すという
発想自体がなかったようです
しかし、現代のスーツに使用
される生地は、当時とは比べもの
にならないほど軽く薄く繊細
になっています
ダブルの折り返しをつけること
によって、靴に負けない存在感
を演出し、バランスをとること
が可能になります
また上でも書いたように裾の
重みで、パンツを落として
クリースラインを綺麗に出す
ということも出来ます
長々と書いてきましたが何が
言いたいかというと
『弊店ではダブルがオススメ』
ということです
お客様の特別なご要望がない
限りは、ダブルで仕上げさせて
頂きます
ダブルの幅はオーソドックスな
3.5〜4cmをオススメ
しています
大柄な方なら4.5〜5cmも
ありだと思います
そのあたりはご相談の上
対応させていただきます
まとめ
シングル、ダブルどちら
でも問題なし
お葬式は必ず『シングル』
特にご要望がなければ弊店
では『ダブル』にさせて頂きます