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混紡と三者混

vol.1042



札幌・小樽を中心に活動する
アスリート専門のスーツ仕立て屋
SARTORIA FISTY
の拝田昇です!



『アスリートの"不"を解決』



この想いで今日も仕事に臨みます!



先日お客様への納品に
行ってまいりました



只石裕揮様



ブログ塾の仲間であり、倫理法人会
の仲間でもある只石様に今回
オススメしたのはイタリア
『アリストン』の三者混ジャケット



写真のようにカジュアルに
Tシャツに合わせて頂いても
ネクタイをしめるスタイル
でもどちらでもお使い頂けます



混紡と三者混



洋服を作るときに一つの素材だけではなく複数の素材を混ぜて服を作ることがあります



今日はその複数の素材を混ぜて使う、混紡と三者混(さんしゃこん)についてです



混紡とは






素材の原料は1種類だけで
使う場合と2種類以上
混ぜて使う場合があります



素材を混ぜて使う事を
混紡(こんぼう)と言います



混紡の理由としては

 

・各々の素材のメリットを
生かして、各々の素材の
デメリットを補うため


・見た目の風合いの変化


・コストを抑えるため



などがあります



混紡の例



①綿+ポリエステル



綿は吸湿性と肌触りは良いけれど
逆に乾きにくくシワになりやすい
場合もあります



ポリエステルはその逆なので
両方が合わさると吸湿性と
肌触りがある程度良く
乾きやすくシワになりにくい
素材となります


②アクリル+ウール



アクリルは縮みにくく洗濯
しやすいけれど保温性や
質感がウールより劣ります



ウールはその逆なので
ある程度保温性と質感があり
洗濯しやすく型崩れしにくい
素材となります



③毛+ナイロン



元々保温性のある毛に軽くて
強度と光沢感があるナイロンを
加える事で、暖かいのに軽くて
強度と光沢感がある
毛素材となります



④カシミヤ+毛



カシミヤが入っているので毛より
肌触りが滑らかで柔らかく、毛を
混ぜているのでカシミヤ100%の
ものより毛玉になりづらく
価格を抑えめに出来ます



三者混とは



三者混とは名前の通り
3種類の素材を混紡した
ものの事です


近年、2種類を混ぜた二者混よりも
三者混・四者混が増えて来ています



理由は



・素材や生地の開発が進み
より複雑な混紡でより
高性能な生地や風合いの
良い生地が作れるようになった



・天然素材の価格の高騰により
化学繊維を混ぜて使う事が増えた






などがあげられます



三者混の例



それぞれのデメリットを補って
お互いの長所を引き立てるのは
二者混と同様に変わりません



只石様のジャケットの例だと



ウール+シルク+リネン



・麻100%より
シワになりにくい



・ウール100%より
清涼感のある肌触り



・絹100%より
扱いやすくなる



・麻のカジュアルな風合いに
ウールの暖かみと絹の上品さが加わる



ということになります



混ぜれば混ぜるほど良いという
ような感覚になりますが
決してそういう訳ではありません



逆に1種類の素材100%で使う場合
その素材の良さがトコトン特化する
メリットがあります



例えば毛100%なら一番暖かい
ですし、麻100%なら一番涼しいです



『それぞれの素材の特徴を知り
用途を考えて合っているものを選ぶ』



というのが正しい選び方です



(Spread fashion ismより)

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